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2005年10月25日

【書評】プラネタリウムを作りました~7畳間で生まれた410万の星

まずはネスカフェのCMを見ていただきたい(ぜひブロードバンドで!)。
 ※これがCGではなくプラネタリウムなんですよね。

この星空を、著者が小学三年生のころから「個人製作」として作り続けた結晶。世界一と言われる星の数、410万個がきらめく姿は映像だけ見ても圧倒されます。そんな大平さんがなぜプラネタリウムを作り始めたのか、どうやってここまでたどりついたのかを書いた本。


読んで思ったのは

  困難に出会ったとき、
   どれだけ考えぬくか、
   どれだけあきらめまいとするか。

もう一つは

  人生の中で出来ることは、そう多くないのかもしれない

ということ。

興味深かったのは、大平さんは最初から電気回路だとか数学(物理)、パソコンなどに特別詳しいわけではなかったということ。

たとえば電源装置の知識やスキルがほしいと思っていた際に、アルバイトとして秋葉原の小さな回路メーカーで働いて技術を習得したという話。やけに電源の仕組みについて詳しく聞いてくる不思議な学生だと、けげんな目で見られたりもしたそうですが、やがて社長の目にとまり、修理の部署から、技術開発の部署に移動になった上、レポートを書く代わりに自由に材料などを使っても良いと言う、周囲の協力もえられることに。

巻末にある大平さんと小学生のころから仲の良いプラネタリウムの館長さんのコメントに「普通の子供と違って、どういう仕組みで動いているんだ」と聞いてくる不思議な子供だったと言うコメントも。
 ※館長さんは、それから2時間あまり、誰もいなくなった
  館内で少年に操作をさせてあげる。


見ているとわかるのですが、次々とやってくる困難を、すさまじい努力で乗り越えていく様は、見ていて爽快感さえ感じます。またまわりが協力を惜しまないんですよね。


しかし、なんでこんなにがんばれるのだろう?
最後の方に太平さんは、こう書き残しています。

必ず浴びせられる質問が「なぜプラネタリウムを作るのか」ということだ。それなりのことは答えるが、それでいて未だに自問自答の繰り返しだ。(中略)

星空を作りたいという願望の根本はなんだろうか。それは美しいものを作りたいという願望だと思う。星空が美しいのはなぜか。ある人はそれを、遺伝子の記憶であるという。(中略)


そしてプラネタリウム作りには、多くの人々に見てもらう喜びがある。僕には兄がおり、高校時代にはロックバンドのボーカルだった。モノ作りに没頭して地味だった僕とは対照的に、兄はいつも華やかな光を浴びていた。

けれども、プラネタリウムを作り、自らマイクをもってその星空を案内することは、当時の兄がやっていたこととまったく同じことのように思う。美しいものを作り出し、より多くの人に伝える喜び。テクノロジーという絵筆で、思い描いたものを形にする喜び。これこそが、僕のプラネタリウム作りの原動力になっているのではないかと、今改めて思うのだ。
(本文から引用、一部割愛)

なにか、通じるものを感じました。
ああ、そうだ。オレもネットでモノ作ってるとき、最初はこんなこと考えてたんだよなぁと。

あー、いろいろ書きたいんだけど、後はぜひ読んでいただきたい。
世界サミットのエピソードとかも面白いですよ!

久々に感じるものの多い一冊でした。


プラネタリウムを作りました。―7畳間で生まれた410万の星
大平 貴之 (著)


カテゴリー:宇宙・プラネタリウム読書

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