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2006年02月27日

【書評】ザ・サーチ グーグルが世界を変えた / ジョン・バッテル

ちょっと前に読んだ本。この手のドキュメンタリーな話、大好きなんですよね。


Googleの誕生から今日の成長ぶりを中心に描いたドキュメンタリー。Googleはもともと検索エンジンとして作られたワケではないとか、資金難で危うかった時期があったりとか、ビジネス誌なんかでインタビューされた華々しい様子とは打ってかわって、Googleの生々しい成長過程が刺激的でした。

ザ・サーチ グーグルが世界を変えた
ジョン・バッテル 中谷 和男
日経BP社 (2005/11/17)

他にもAltaVistaはなぜ失敗したのか、Yahoo!との攻防、excitやLycosなども登場し、インターネットが誕生して間もないころの話も興味深い一冊。Googleが好きな人、検索エンジンを仕事で利用している人は読んでみると面白いかも。途中退屈なところも多いけど(^^;

では、かんたんにGoogleの歴史を振り返ってみることにしましょう。

■Google誕生
スタンフォード大学の院生だった創業者のラリー・ペイジと、サーベイ・ブリンは、二人でWWWを利用した論文を書くことで協力する。

二人が目をつけたのは、WWWは学術論文と同じく引用と注釈で出来ているということ。引用はリンク、注釈はリンクを説明するテキスト。これまでWWWは初期の設計思想の中にバックリンク(逆リンク)の概念がなかったため、どのページからリンクをされているかが分からなかった。これを解明しようと二人が作ろうとしたのが「バックラブ」と呼ばれる仕組み。Webサイトを運営したことがある人なら、どんなサイトからリンクを受け、どのような評価を受けているかは非常に気になりますよね。

彼らのすごさは、いきなりWWW全体を対象としたことだった。学校中からジャンク(がらくた)を集め、大量のパソコンを組み立てた学生寮の部屋でページの収集がはじまった。おかげでスタンフォード大学のネットワークの50%以上を占有し、警告を受けることもしばしば。

その後彼らは、バックラブからサイトのランキング付けをすることを思いつき(現在も使用されているページランクの概念)、検索エンジンとして開発が進んでいくこととなる。当初、人のサイトにランキング付けするのは非常に傲慢であるという批判も相次いだという。

その後、Googleのバージョン1.0は1996年6月8日、スタンフォード大学のWebサイトで発表される。URLは「google.stanford.edu」だ。現在もアクセス可能な模様。


■資金難
1997年当時、ヤフーやエキサイト、アルタビスタ、インフォシークなど数多くの企業がひしめき合い、院生二人が立ち上げた企業など相手にされないし、太刀打ちできないだろうと二人は考えていた。しかし検索数は98年末には1万件を超え、これを処理する能力を調達するには会社を設立する以外なかったという。

資金をどうするか、当面の資金を彼らはあっという間に得てしまう。Sun Microsystemsの共同設立者、アンディ・ベクトルシェイムと面会し、10万ドルの小切手を得た。さすが技術方面で突出するサンの人だなぁと思います。先見性があったんですねぇ。

この後、投資を受けることに関しては両手に花状態。クライナー・パーキンス、セコイアからの投資を受ける。1999年、ネットバブル全盛期のころということあってか、総額1億ドルの投資額となった。

しかし、それとは裏腹にビジネスモデルが確立してなかったGoogleは株主からも早く収益化を望む声が相次いだ。一番かんたんな方法はバナーをつけることだ。しかし創業者の二人はガンとしてそれを受け付けなかった。そこで考え出されたのはOEMだ。Googleの検索エンジンを他社に貸し出すのだ。まずはNetscape社と提携が決まった。

だがそれでも資金難は続く。
1999年末、社員は39人。毎月の支出は50万ドルを超え、銀行の預金は2000万ドルを切った。さらに毎月の支出額は増えていく。この状況を打開するには新しい収益源が必要だった。まず最初に思いついたのはダブルクリック社のバナー広告をつけることだ。当時も大量のアクセス数があったGoogleからすると、それさえ行えば数百万ドルの広告収入が得られることが期待されていた。しかしGoogleはこのタイプの広告を嫌い、自社でテキスト広告を採用するが、それだけでは採算はとても取れなかった。
 ※検索窓の下に出る幅広のバナー枠。現在も表示されている。

いざとなったらダブルクリックを採用すれば良い。
そう思っていた矢先、ネットバブルがはじけてしまった!ダブルクリック社の株も大暴落し、助けを得られることが難しくなった。救助艇まで泳げばいつでも助かると思っていたら、船自体がなくなってしまった。

しかし、これがGoogleを大企業に発展させるきっかけとなったとも言える。


と、ここからGoogleの大進出がはじまっていくわけです。
順風満帆に進んでいったのかな?と思ってしまいがちですが、幾多の苦難を乗り越えて今のGoogleがあるかと思うと、より彼らの動きに注目したくなります。久々に胸を熱くして読みました。面白かった。

カテゴリー:読書

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