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2006年03月06日
【書評】想い 三茶の焼肉、世界をめざす / 西山知義(にしやまともよし)
牛角を立ち上げ、am/pm、成城石井を率いるレックスホールディング(旧レインズ)の西山さんの半世紀をつづったもの。面白い!言葉が率直で胸に来ます。(ブログはコチラ)
牛角が好きです。
牛角に初めて行ったのは1999年12月、三茶の1号店。そして一緒に行ったのはベンチャーリンクの方。
「うちがフランチャイズの手伝いをしている美味しいと評判の焼肉屋さんがあるんだけど行ってみない?」
と誘われたのがきっかけでした。まさかそれが1号店だったとは。そしてこの本に登場するベンチャーリンクの方につれられて行ってもらっていたとは。読んでいて、うぇ~~と驚いてしまいました(笑)
確かに駅から遠かった、でも確かに美味しかった!そして何より安かったのが印象的でした。一人あたり3000円と、当時まだ20歳になったばかりのワタシでしたが、焼肉でこの安さと旨さはなに!?と一発でファンになったのを覚えています。
でも、その美味しさや安さはお店が出来る時から考えに考えられ、西山さんの努力で成り立っていた物だったということを知って、ますます牛角が好きになりました。特にこの本で印象的だったのを二つほど。
私がサラリーマンだった若い頃にも経験があるが、「何でも言ってくれ」と言っておいて、下の者がいざ意見を言ったら怒る上司というのは、世の中にたくさんいる。
提案を一方的に押し潰された部下は、意気消沈するだろう。
「せっかく提案したのに、自分は何も言っちゃいけないんだ。もう言うのはやめよう」
そうして部下がみな貝のように押し黙ってしまうのである。現場の情報は何も上がってこないという状態になることだろう。
この一文にゾクッとしました。
当たり前のことなんだけどすごく忘れていた気がする。私自身もそうなんですけど、サラリーマンやってると企画出しても、大抵の場合は通らないことが多いんですが、その時の気持ちを忘れてしまってるんじゃないか。自分が部下に対してこの理不尽な気持ちを味わせているんじゃないか。ではどうすれば良いか。
大切なのは、会社の理念に対して、上司と部下の間で議論がきちんと交わされているかどうかだ。
逆に言えば、理念を介さない議論では、部下の提案がたとえ正しいとしても、上司に押しつぶされてしまうのではないかと思うのだ。
なぜ議論が成り立たないかは、力関係でというよりは上司側の能力の問題だろう。
上司が「なぜ提案を受け入れないのか」について、論理的に分解して部下に説明し、腑に落とさせる力がないために起こるのだ。
まさにその通りだと思う。なぜダメなのか、それがわかりさえすれば次につなげられるし、納得も行く。次に提案する時にはもっとレベルの高い提案が出来るからお互いのためになる。なぜダメなのか、それをキチンと論理的に説明できること。感情的にならず、論理的に。
また牛角では理念を非常に重視する傾向にあるようです。それは「感動想像」であり、「"理"益」の考え方だったり。行動や業務システムがそれを軸に動いている。それを象徴するエピソードもあって、それが以下。
たとえば、売上げが伸びない店舗を立て直そうと必死になるあまり、小手先の対処療法をとろうとする店長がいた。
チラシの配布などを行ってとにかく売上げを上げたいという店長に西山さんが言ったのは優先順位が違うんじゃないかということ。お客様に喜ばれるサービスを行っているか、基本的な部分さえしっかりやっていればお客さんは喜んでくれる。そしてリピートしてくれて売上げがあがる、利益がでる。その順番以外はないと。販促をやるならその上でやれと。
もっとも重要なのは、売ることではないのだ。
売れた後に、お客様にどう思ってもらえるか。
もしメニューに新しい一皿が加わったとして、それをお客様がオーダーしてくださるのは嬉しいことである。
しかし、その新しい一皿がまずければ何の意味もない。売れることが重要ではなく、売れた後にお客様にどう思われたのか。
「ああ、おいしい、また来よう」
そう思ってもらえるからこそ、商売が成り立つのだ。
そんな西山さんの起業から上場までは波瀾万丈だったようです。大学を中退して入った不動産会社でトップセールスを築いたサラリーマン時代とは売ってかわって、思うように売上げがあがらない独立間もないころ。営業マンに徒党を組んで会社の現金をすべて盗まれた事件。上場間際で奥さんが余命三ヶ月とつげられ、上場を延期したというエピソード。
それでも負けず、理念を貫き通すその様子は胸が熱くなりました。元気をもらえる一冊でした。
カテゴリー:読書
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